65歳以上の高齢者への新型コロナワクチン優先接種と迷い
世田谷区では新型コロナワクチン優先接種として、65歳以上の高齢者への案内と接種申し込みが開始されました。
私の勤める高齢者施設にも案内が届き、保証人様へ案内書の送付と接種希望調査を始めています。
皆さん、迷われています。
施設に相談の電話が来ました。
「高齢だけど、新型コロナワクチンを接種してもいいのか?」
「どうしたらいいのか?」
「施設長や看護師さんはどうお考えになりますか?」
「接種したほうがいいのでしょうか?」 ETC.
新しいワクチンであり、どんな影響が出るか、まだ未知なワクチン。
決められないのは皆さん同じです。私も迷っています。
ある往診医へ看護師が聞いてみました。
皆さん疾病や持病が異なるので何とも言えないが、と前置きされたうえで、
「集団生活をされているならば、接種したほうがいいと思います。」とのこと。
高齢の方は、少なからず何らかの持病をお持ちです。
高血圧、心臓病、糖尿病、腎臓病等々・・・
新型コロナに感染してしまった場合、重症化リスクの高い方々です。
しかも施設という集団生活。施設クラスターに巻き込まれるとの可能性もあります。
ワクチンを接種していたことで重症化が予防できるのであれば・・・。
将来の身体の影響を懸念するよりも、「今」感染しないように対策する方がいいのかもしれない・・・。
でも、新薬であり、副反応や副作用の心配がぬぐい去れない・・・。
本当に悩みます。正解はありません。
かかりつけ医へ相談し、情報を確認し、ご自身やご家族で決めるしかないのです。
こんなに悩むのも、世田谷区が全国に先駆けて早めにスタートするからだと思います。
先例がないからより不安になるのでしょう。
重要な決断です。後悔しないようにしっかり考えて、主治医の見解も確認して、
自分で決めていくこと。
それが大事だと思います。ご家族の皆さんにもそう説明したいと思います。
ちなみに私は接種を申し込みました。
私は新型コロナワクチンは打たないことを決めていましたが、
冠攣縮性狭心症という病気が見つかったことを機に、いろいろ悩み考えました。
感染すると重症化リスクがある可能性を勘案し、
「今」感染しても重症化しない方法を選択しました。
不安はたくさんあります。
副作用や将来の病気への影響や、遺伝子に変化が起こるのではないか、など。
でも、私は「今」死ぬことはできません。
息子が社会に出て自立するまでは、元気に働き、見守るという使命があります。
いつどこで感染するかわからない状況で、感染しても重症化しないことにかけてみようと思いました。
それさえもわからないですが…。
皆さんがご自身の思いで、接種を決めたらいいのかなと思います。
でもでも、本当に難しい選択です。
親に代わっての選択は、特に迷い悩むと思います。ご本人の意思ではないから。
ご自身が意思を表明できないから。家族が代わって意思決定をしなくてはならない中で、本当にこの選択で良いのか・・・。決められないと思います。
私の母は特養に入居しています。
もし母の代わりに接種の可否を決めないといけないとしたら・・・。
私はどう考えるだろうか。
母は糖尿病、高血圧、脳血管障害との持病があります。
難しい意思決定はできない認知状態です。
面会制限が続き、自由に会えない環境の中で、母にはもう少し元気で長生きしてほしいと思っています。長生きしてくれたら、いつかまたいつでも会える、一緒に過ごせる
時間が持てるかもしてない。
そう思うと、新型コロナに感染し、重症化しない方法を選択したい。
「今」元気で過ごせる方法を選びたいと思います。
それぞれ事情も異なり、考え方や大切にしたいことも様々です。
いま一度、大切にしたいことは何か 自分の心の声に耳を傾けましょう。
そのうえで、どう選択するか決めること。他者の意見は参考に、最終的には自分で
選ぶ。そういう姿勢が大切だと思いました。