ワーママ・ケアマネたきぼんの介護・子育て

ケアマネたきぼんのこころが軽くなる介護・子育て・生活のヒント

入院に対するご家族の不安への対応

2020年12月に入院された方がいました。

精神疾患が悪化し、自傷の恐れがあると医師が判断。医療保護入院となりました。

緊急です。ケアマネの私が入院に同行しました。

 

11月より精神疾患が悪化し、主治医と相談しながら治療していました。

しかし自殺企図したことから、入院が必要と医師が判断。

ベッドが空き次第入院するよう手配していました。ご本人も11月からの症状の悪化で苦しく辛かったようで、主治医へ「入院したい」と希望を伝えていました。

 

急遽でありましたが、某日11時前に病院から「ベッドが空いた。15時に入院できるか」との問い合わせあり。施設では保証人様の同意が取れれば、15時に病院へ着けることを情報提供。病院のソーシャルワーカーから保証人様へすぐに連絡、入院の同意をいただく。

施設スタッフと看護師で入院準備を行い、施設者を手配して私が同行して病院へ。

保証人様とは現地で落ち合うことにした。

 

まず外来医師の診察。ご本人様の状況の確認、施設看護師からの情報提供書内容確認、私から症状が悪化した経緯、最近の発言や症状について情報提供を行う。

医師は状況を確認したうえで、ご本人へ要望、ご家族の要望を確認する。

ご本人は入院して治療したいと希望。その意思を確認し、保証人様も入院に同意。

医師が医療保護入院を宣告し、入院手続きに入りました。

 

新型コロナ禍です。まずはPCR検査、レントゲン検査を実施。ご本人を看護師に任せ、ここで別れることになりました。

PCR検査結果を確認し、2週間は個室で治療と並行して体調確認を実施するとのこと。

万が一陽性だった場合は、入院先に病院は新型コロナの治療は行っていないため、別の病院へ移送、新型コロナウィルスの治療が優先されることになります。目的の治療が遅れてしまうため、陰性を願いました。

 

次に病棟の医師からの説明と、入院手続きです。

外来の医師へも説明したけれど、再度ご本人様の状況、施設看護師からの情報提供書内容確認、症状が悪化した経緯、最近の発言や症状について情報提供を行いました。

その後、保証人様は入院手続きへ。

もろもろ手続きが終わったのは、夜19時でした。

無事に入院できた安心感と、これからの治療への不安。保証人様は複雑な心境でした。

 

年が明けて1/5。保証人様より連絡をいただきました。

病棟の主治医から今後の治療方針について説明を受けることになったとのこと。

主治医と同じ情報を持ち説明の日を迎えたいので、状態が変わってきた頃からのご本人の様子、通院結果、内服薬の調整内容、その後の様子・言動について情報が欲しいとの要望でした。入院時に情報提供として病院へ提出した情報があるので、それをベースに、私が追記したものを送ることにしました。

 

保証人様かが不安に思っていたこと。

①精神科の外来主治医は数十年来ご本人を診ていたが、入院にあたり主治医が変わることに不安がある。

②薬の量が多いとずっと思っていた。薬を減らすことを主治医へ相談してもいいのか。

 

それに対し、ケアマネとして下記のアドバイスをしました。

①外来での主治医が入院時に交代してしまうことに不安があると思うが、同じ病院であり引き継ぎはしっかり行われるから安心してよいこと。また複数の医師でご本人の経過を確認し、治療計画を検討すること、また外来の主治医と別の医師の見解を聞けることは、様々な視点での情報を得るという意味で有益であると考えること。

 

精神疾患というセンシティブな疾患であるため、症状やご本人の不調感に合わせて処方されている。症状に応じて匙加減をしていて、決して過剰ではないと考えること。

家族が心配していることや今後症状が安定したら減薬したい希望を正直に医師へ相談し、医師の見解を確認するよう助言した。

 

治療方針や予後について、わからないこと、不安なことは医師へ確認し、ご家族が納得できるよう質問するようにとアドバイスしました。

 

保証人様は安心されました。心得て治療方針の説明に臨みたいと話されました。

 

急な入院や治療方針についての説明・同意など、家族としてはわからないことが多い中で決断しなければならない状況が訪れることがあります。

どのように対応したらいいか、不安に思うこともあると思います。

医師の説明は複数で聞くこと。一人だと混乱してしまい、冷静な判断ができないときもあります。

家族が高齢者で要介護認定を受けてケアマネージャーがついているのであれば、ケアマネージャーへ相談してもいいと思います。医師へ確認するポイントを一緒に考えてくれます。

入院先の病院ではソーシャルワーカー社会福祉士)という職種があり、入院から退院までのコーディネートを担当します。規模の小さな病院だと不在の場合もありますが、最近はほぼ入院設備の整った病院にはソーシャルワーカーが配置されています。

入院が決まったら担当のソーシャルワーカーは誰か、確認しておくとよいでしょう。

医師や看護師と家族をつなぐ役割を担ってくれます。医師との話し合いの場にも同席し、医師へその場で確認や質問できなかったことがあった場合、ソーシャルワーカーに連絡すれば、家族に変わって医師へ確認してくれます。浮かんだ疑問や不安は確認しておくことが大切です。

 

医療保護入院への対応は初めてでした。私にも学びになりました。

入院にて内服薬の調整を行い、ご本人の状態にあった内服薬が決まり、病状が安定して、無事に施設に退院できることを祈っています。

 

私の役割はというと、入院中は担当のソーシャルワーカーと定期的に連絡を取り、情報共有します。併せて保証人様とも連絡を取り合い、病院・家族・施設がリスクを含め同じ情報を持ち、同じ目線で退院後の生活についてイメージを持てるようにしていくこと。病院と家族との信頼関係がとても重要になります。

 

頑張ります。